コンクリートは耐久性の高い素材ですが、環境やメンテナンスの仕方によっては劣化が早まることがあります。
劣化させる要因の一つに「中性化」がありますが、どのような状態を示すのかご存じでしょうか?
そこで今回は、コンクリートの中性化についてご紹介いたします。
▼コンクリートの中性化とは
コンクリートはセメントなどの材料と水を混ぜて固めたもので、通常pH12〜13の強アルカリ性です。
しかし空気中の二酸化炭素とコンクリートに含まれる水酸化カルシウムが化学反応を起こすと、アルカリ性の値が減少します。
これが中性化と呼ばれる現象です。
空気中には二酸化炭素が含まれているので、コンクリートと空気が触れるのを防がない限りはこの現象が発生します。
■中性化により起こる問題
コンクリートがアルカリ性を保っている状態では、内部の鉄筋に対し酸化を防ぐ被膜を形成して鉄筋の錆を防げます。
しかし中性化が起こると、鉄筋が酸化を起こし耐久力を低下させる錆が発生します。
また錆びた鉄筋は膨張するので、コンクリートのひび割れにもつながってしまうのです。
ひび割れから水が入り込むと錆の進行や腐食も起こるため、さらにコンクリートが劣化してしまう悪循環に陥ってしまいます。
▼まとめ
コンクリートは空気中の二酸化炭素と反応することで、中性化を起こします。
中性化は鉄筋の錆を促進させる要因になり、コンクリートのひび割れにもつながるのです。
そのためコンクリートの劣化を防ぐには、空気との接触を防ぐことが大切です。
施工後だけではなく、コンクリートの圧送中など施工中の品質を保つことで強度の高いコンクリートに仕上げられます。